生存という信号を発しておく

お久しぶりです。去年の今ごろ名前を変えて、それっきり。元気にしています。仕事はそこそこいそがしい。

気持ちは変わらず上がったり下がったりするけれど、以前よりその幅は小さくなったように思います。無理しなくなったからだともいえるし、コロナ禍の影響でじっとしていることが増えたからともいえる。少なくともどうしようもなく消えたくなるようなことは減って、淡々としています。

近況……そうだなあ。なんというか、以前よりも死が特別なことではなくなったと感じることが増えました。年齢的なものあるし、単純に身体のあちこちにガタがきて、悪いところが増えたというのもあるんだけれど、数年そうだったから、この身体や精神との付き合い方を覚えてきたように思う。いつか辿り着く場所としての死は、ゴールとしてあるわけじゃなく生きている状態や行為のそばにあって、生きているのだから当然いずれは、もしかしたらそれが明日かもしれないけれど、その瞬間がきても大して後悔はないだろう、と感じることが増えた（とはいえ、もうしばらくは生きたいとも思っている）。いつか来る瞬間はもっと先の可能性もあるし、明日かもしれないし、これを書いた10分後かもしれないんだけど、生きているわたしに死は伴走しつづけてくれている。

そういう中にあって、わたしは一人で生きていくことを選んだのだ、と最近よく思う。ここでいう「一人」は、恋人や血のつながらない家族を持つ、といったような意味で、現時点ではそれらの選択をわたしはしないだろう。だいたい世間は特別な誰かを共にあることをすばらしいこととしてたたえるし、実際すばらしいことだろうとも思う、それはそうなんだけど、わたしはわたしの選択も、なんだかとってもハッピーなことのようにも思っている。わたしは、わたしを取り巻くさまざまな環境により、「一人」が叶っているのであって……自らもそれを望み、選べる状態にあることはやっぱり一種のしあわせなのだと思う。そうして「一人」ではあるけれど、孤立しているわけでも、ひどい孤独に苛まれているわけでもない。

今日の外はすごい熱気で、すっかり夏。蝉の声がして、雲の影が落ちたスカイツリーがよく見える。窓をあけるとそれらがよりいっそうクリアに迫ってきて、とてもきれい。とてもとてもきれい。そういうものを眺める時間がなかった時期が、かつてわたしにはあって、それと比べるといまはさまざまな困難はあれど、不幸ではない。