外からの取材を積み重ねながら少年Aと事件の真相に近づいていき、あくまでも外にいる人間としての視点を崩すことなく少年を書いている。
被害者の遺族、加害者の家族、第三者からの視点。三つの視点を読み終えて、やっと大きく振れた感情はもとにもどったけれど、答えはまだない。
ルポルタージュはどうしても加害者に迫っていく(事件の原因や真相に近づいていくのだから当然だと思う)かたちになるから、「淳」は繰り返し読まなきゃいけないと思う。
少年Aと母親の関係は、両親の手記よりも、第三者の書いたもののほうがはっきりと浮かび上がっているように思います。