生活🐌の記録

いるようでいない、いないようでいる

ゴールドラッシュ

 昼過ぎに家を出て、ゆっくり東京へ向かったのだけれど、本を読んでいたらあっという間だった。柳美里の『ゴールドラッシュ』の中に生きていくことの悲しみみたいなものを思って、身体の奥のほうが緩んだ。

 でもいつも、小説の中で殺人があった瞬間に、どこかその物語が遠いものに思えてしまう。となりに座っているとばかり思っていた人が、実はテレビの中からこちらに向かって話しかけていた、みたいなそんなかんじ。人を殺そうという感情が自分にとって想像できないような遠くにあるものだからかと一瞬思ってみたけど、そうじゃないな。自分の中のどこにあるのかが謎なものだからだ。