201501
その川を渡るのですか対岸に並んだ子らを眩しくてみる
201502
恋人にはならないだらう描かれてテキストのうへ踊る如月
その毒はいづれあなたを滅ぼすね驟雨、きのふのうそつきのうそ
201504
ことばだけあればいいのと云ふときのきみの掌に吹きみだれるみどり
幾千の夜のはなしを読む昼のひかりにまざる風ひとりきり
201505
遠くつてきみの云ふとき遠くつてどれほどだらう朝やけのなか
裸足だと少しだけ痛い野ざらしになりしらじらとおわかれがくる
かりそめの暮らしだらうかヤドカリはタライを覗く子の空高く
窓の夜に浮かぶ姿は毛の抜けてゆく頭から滲むわたくし
この傷もいづれ消えるようそぶけば欠けたつるぎを持つてぼくたち
砂浜を蛇行する点あつち側いつてといつて手を振つてゐる
ことごとく陽はつよく射す夜を越えてきたこと恐れなく越えたこと
適当に求めたくせにヤリマンと野次るやつから滅びればいい
やわらかな水を掬へば性愛の気配に湧いてよろこぶひとが
今年からBL短歌も短歌もいっしょにしてしまいます。どちらも違いがないと思ったからなのだけど。読みはどこまでも自由です。