西暦三千年一月一日のわたしたちへ
1000年先の子供たちへ何を残したいかを考えていたら、川上弘美さんの「おめでとう」の一節を思い出した。川上さんの小説の中で、わたしはこの短編が一番好きだ。
せいれきさんぜんねんいちがつついたち。
つぶやいてみると、現実への不安とかすかな希望がいっしょくたになってあらわれる。
西暦三千年一月一日。そのとき、わたしたちはどうしているだろう。
忘れないでいよう、とあなたが言いました。何を、と聞きました。今のことを。今までのことを。これからのことを。あなたは言いました。