生活🐌の記録

いるようでいない、いないようでいる

HER

HER(Feelコミックス)
ヤマシタトモコさんが好きだ。BLでも細かな感情描写をする人だけれど、BL以外の漫画でも同じように丁寧。この人の描く女の子はすごくリアルに感じる。読んでいて「あ、この感情知ってる」とよく思う。女はけしてきれいじゃない。泥だらけだ。優れた人、美しい人、奔放に動いている人、似ている人、平凡な人、憧れの人。いろんな女がいるけど、ふとした瞬間にねたましい気持ちと嫌悪がやってきて、どこかへ行ったかと思えば唐突にやってきたそれを巧妙にかくしてニコニコ笑ってたりする。けど、そういうところを嫌いにはならない。なんでってそういうところが女の愛しいところでもあるからだ。
女はこういう生き物なのよ、ではなく、女ってなんでこうなんだろう、という疑問を感じる。ヤマシタさん自身も「女である」ということを皮肉りながら愛情も感じてきた人なんじゃないか。女って生き物を目の当たりにして、自分が女ってあることを改めて自覚して、それでもプラスの気持ちをもらいます。