生活🐌の記録

いるようでいない、いないようでいる

かたのちから

 パオロ・マッツァリーノ反社会学講座
 この本、わりとふざけた内容の本でおもしろいんだけど、メディアの情報だけで物事を判断せず、自分で調べて考えてみる、ということについて考えさせてくれる本です。

 もともとはネット上にあったものを文庫にしたものなのでネットでも読めます(スタンダード反社会学講座)。ただ本のほうが加筆があったり、文庫版だと毎回に三年目の補講がついていてなおよしです。

 青字で引用する文庫版P.40~P.50 少年の凶悪犯罪の増加しているなんてうそっぱちだぜ!という回の増補分を読んで、自分がもしこれからできることがあるとしたら、甥や、これから自分が生むかもしれない子や、自分の住んでいる場所に住む子供たちの未来について考えていけること、できることがもしあるとしたら、それは手の届く範囲の、ちょっとしたことなのかもしれない、と思った。

(以下引用)


 シカゴの救命病院を舞台にしたアメリカのテレビドラマ「ER」にこんなエピソードがありました。ブーツ欲しさに友達を撃ち殺した8歳の少年について、看護師のキャロルが小児科医のロスと話します。キャロルは、遺伝子の異常、テレビゲームの影響、などあれこれ例をあげますが、ロスは「こんなこともある」と、つれない返事。

「理由がわからなければ、防ぎようがないじゃない」

と食い下がるキャロルに、ロスはこういいます。
 「できるだけ愛し、育て、教えて、幸せを祈るしかない」

これはあきらめではなく、強さです。